土木工事とは地面に関わる工事

この記事を読むための時間：3分

土木工事は先進国の象徴といわれており、日本は「世界に冠たる土木大国」とも呼ばれています。建物を建てない代わりに、地面に関わる仕事が多く、地図に載る仕事や最先端技術を駆使して都市など人の住む環境を整える使命感ある仕事だといっても良いでしょう。しかし、建設工事と間違われやすい傾向にあるだけでなく工事範囲も知られていないことから、「何となく知っている」という人が多いのが現状です。今回は、土木工事について工事の範囲や具体例などを紹介します。本記事をきっかけに、ぜひ土木工事について理解を深めてみてはいかがでしょうか。

土木工事には仕事範囲がある

土木工事というと、建物を建てることも含めた泥臭い工事だと考える方も多いかもしれません。土木工事には仕事範囲があり、一般的な土木工事は建物を建ることはないと考えて良いでしょう。人が暮らしやすい場所を作る大切な仕事であるため、住みやすさを追求し自宅周りを手掛ける外構工事も土木工事に加わります。このように、建物を建てるための大切な基礎工事や造成工事に携わることから、インフラや公共事業など多様な範囲に渡るのが土木工事なのです。

良く間違われやすい建設工事との違いとは？

実際のところ、多くの土木工事会社は両方請け負っている場合が多いこともあって、建築工事と土木工事の境界線はあいまいだとされています。しかし、基本的には

• 地面の上か下か
• 建造物を建てるかどうか

で分けられることが多いようです。

土木工事とは地面の工事！具体例を紹介

建物を除いた建設工事全般を土木工事と定義するのが一般的ですが、どのような工事が土木工事にあてはまるのでしょうか。この項目では、土木工事の具体例をご紹介します。

ダム建設

ダム建設工事や砂防ダム工事・貯水池ダム工事などダム建設に関わる工事は、土木工事の代表といっても良いでしょう。ダムという大規模な貯水池を建設することから、工事の規模も大きいのが特徴的です。一般的なダム建設では、工事をするための道路建設も土木工事に組み込まれています。

トンネル建設

トンネルに関わる工事も、土木工事に該当します。トンネル本体の建設工事はもちろん、シールド工事・推進工事なども加わるため、ダム建設と同じく大規模な工事が行われるのが特徴的です。

橋に関する工事

川や海峡に欠かせない橋も土木工事に該当します。海底や川底に基礎を作り橋脚を作ったり、その上を通した橋桁に道路を通すなど、建設する橋の種類や工事の方法によって施工方法は様々です。

道路工事

土木工事でイメージされるのが、道路工事という方も多いかもしれません。主に公道が多く、

• 道路改良工事
• 道路築造工事
• 道路構造物工事
• 道路開設工事

が道路における土木工事に該当します。

空港建設

空港を作るのも土木工事の一環です。ただ空港を建設するだけでなく、建設前の用地測量や設計なども土木工事に含まれています。

土地区画整理工事

土地区画整理工事と聞いても、ピンと来ない方も多いでしょう。土地区画整理工事とは、面をならして整え、その後に建物を建てる工事です。土地をフラットに整えることを目的とした土地区画整理工事や、住宅などを建設する前に土地を整える土地造成工事・宅地造成工事の3種類が土木工事に該当します。

公共道路下の下水工事

道を歩いていると、道路を削って配管工事をしている作業員を見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか。公共道路の下には下水道が張り巡らされていることがありますが、下水に関わる配管工事も土木工事のひとつです。ただし、上水道は土木工事の範囲ではなく「水道施設工事」というくくりになるため、間違えないようにしましょう。

農業土木工事

河川や地下水から田畑に水路を建設する灌漑（かんがい）水道工事や、土地を農業用に造成する農用造成工事（土地を農用に造成）など、農業に関する工事も土木工事に該当します。

砂防工事

渓流や扇状地における土砂災害防止に関する砂防工事も、土木工事です。災害防止だけでなく、氾濫しやすい場所を緑化工事などで整備することにより自然環境回復の一端を担うことから、使命感ある土木工事だといえます。

森林土木工事

森林法に基づいた治山工事や林道工事など、森林の整備も土木工事です。体力勝負な部分もありますが、主に山林に囲まれた地方において、地域密着型での活躍・地域貢献も可能でしょう。

河川工事、海岸工事

河川や海岸での洪水や氾濫などといった水害を防ぐための工事も土木工事に含まれます。河川工事や河川改修工事・河川構造物工事だけでなく、水底にある土砂などを取り除く浚渫(しゅんせつ)工事などが主な業務内容です。

【疑問】土木工事とは地味なのか？

土木工事に対してどのようなイメージがあるでしょうか？土木工事は、一見すると泥臭く地味な仕事に思う方もいるかもしれません。しかし、現在ではインターネットやITだけでなくAI（人工知能）ドローンなどの最新技術を使う場合もあります。土木工事は都市など人の住む場所を造る活動で、先進国だからこその仕事です。体を動かす体力勝負の仕事だけではないため、最新技術に興味がある方は働きがいがあるといえます。

土木工事の仕事が気になる！土木工事の資格とは？

土木工事の仕事では、単に体力があるだけでなく最新技術を使う機会ももあるため、スキルや知識が求められがちです。また、土木工事関係の資格もたくさんあるため、技術と知識の両方が問われる仕事といえるでしょう。

• 土木施工管理技士
• 建設機械施工技士
• コンクリート技士
• 地すべり防止工事士
• 地質調査技士　など

まとめ

土木工事に携わる人たちは、公共工事など人が住む都市などを作るため、主に地図に残る仕事をしています。一見、泥臭い仕事に見えるかもしれませんが、ドローンやAIなどといった最新技術も仕事に取り入れられているだけでなく、土木工事に関わる資格も多くあるため、業務範囲は幅広いといっても良いでしょう。この記事がきっかけで土木工事について気になった場合は、土木関連の事業を扱う会社に問い合わせする際、どこまでの範囲を請け負うのか確認することをおすすめします。