左官の語源はなに?右官という職業もある?
左官と右官、その呼び名の由来とは
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左官とは、建造物の壁や床などに、石灰や土、繊維などを混ぜ合わせた材料を壁に塗って仕上げる職人のことです。古いお城や土蔵をはじめ、神社仏閣や酒蔵などの白い壁は、殆どが漆喰と呼ばれる塗り壁で、左官によってコテなどを使い仕上げられています。ところで、左官という呼び名はどこからきたのでしょう?漢字を見ても、仕事の内容とは結びつかない名前とも思えます。また、『左』という文字が入っているので、もしかして『右官』という仕事もあるのか。わからないことばかりなので、『左官』の由来や『右官』という職業が存在したか否かなどを、紐解いてみたいと思います。
目次
日本の伝統的な仕事人『左官』
雨が多く湿気の多い日本において、昔から家屋の壁には、竹を格子状に組んだ下地に、土壁や漆喰が施されて湿度の調整がなされていました。その土壁や漆喰などを塗り、仕上げる職人が『左官』です。そして自然素材と水で練り上げた材料のことを『左官材料』と呼び、その『左官材料』で仕上げた壁を『左官壁』と呼びます。『左官材料』でもっとも知られている漆喰は、消石灰に粘度を高める繊維などを加えて水で練ったものです。耐火性や抗菌作用に優れており、住み心地の良さや安心の自然素材ということで、現代でも変わらぬ人気です。
幕末から明治時代にかけて、『擬洋風建築(ぎようふうけんちく)』と呼ばれる西洋の技術をなぞらえた建物が、日本各地で見られるようになりました。それと同時に、煉瓦やモルタルなど、左官職人の扱う材料や技術にも、西洋建築のエッセンスが取り入れられました。日本の伝統技術を持つ職人たちが、西洋風の機能と耐久性を求められたホテルや工場、役所や病院などを、見よう見まねで作ったのです。そうやって建てられた伝統的な建築物は、一見西洋風でありながら、日本オリジナルの建物であるため、『擬洋風建築』と呼ばれるようになったのです。そして、近年の建築においても、壁や天井などに漆喰や珪藻土、モルタルなどを施したデザインや機能性が人気を集めており、左官職人の仕事は廃れることなく今も続いています。
左官という職業名は桃山時代から
『左官』の語源は所説ありますが、仕事としては桃山時代以前から存在していたものの、それまでは『土木』『壁工』『壁塗』『泥工』など、様々な呼ばれ方をしていたそうです。そんな中、桃山時代に宮中の壁を塗る工事の際、木工寮の属 (さかん) として出入りをするようになった際に、『左官』と呼ばれるようになり、職業名として使われ始めました。そして、江戸時代にはその呼び名が広まり、一般的に知られるようになったのだそうです。
右官という職業もあるの?
『左官』がなぜ左なのかは定かではありませんが、左があるのなら、右もあるのでは?…そう考える人もいるかもしれません。驚くべきことに、昔は大工のことを『右官』と呼んでいたそうです。その後、江戸時代頃からは大工と呼ぶようになり、そしてリーダー格の統率者を『棟梁』と呼ぶようになったのだとか。また、建築に携わる仕事で、木に関係する職業を『右官』、土に関係する職業を『左官』と呼んでいたという説もあります。 現在では、『左官』以外の建設に携わる職種名は、『大工』という呼び名に由来するものが多いのだそうです。
まとめ
『左官』は、長い歴史の中で扱う材料や技術などは進化したものの、人の手で壁を仕上げるという仕事内容には大きな変化のない、伝統的な職業と言えるでしょう。そして、『右官』という職業も存在したことがわかりました。『左官』が土、『右官』が木に関する建築業であり、『右官』という呼び方は現在では使われていませんが、昔も今も将来も、なくなることのない大切な仕事であることは間違いありません。
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