バックアップ材の重要性と使用法

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バックアップ材とは、外壁用パネルなどの継ぎ目（目地）に使用する副資材です。サイディングやALCなどの外壁用パネルは、パネル同士の継ぎ目にコーキング材を充填して気密性や防水性をアップさせます。その際に、コーキング材を長持ちさせるなどの目的でバックアップ材を使うことがあります。ここでは、そのバックアップ材を使用する理由や、使用方法などをご紹介していきます。

深さを調節し三面接着を防ぐための副資材

バックアップ材は、パネルの継ぎ目に充填するコーキング材の量が少なくて済むよう、かさ増しのためのものと考える人も少なくありません。しかし、コーキング材がもっと重要な目的で使用されているのをご存じでしょうか。

コーキング材は、充填する部位の高さ調整のほか、『三面接着』を防止する目的でも使用されます。『三面接着』とは、バックアップ材が入っていない継ぎ目にコーキング材を充填した場合、背面と左右両方の側面の三面にコーキング材が密着します。パネルの下地部分にコーキング材の三面がしっかりと張り付いた状態となるのです。そうすると、建物が歪んだり壁面パネルが収縮するなど、躯体に何らかの動きが生じると、しっかりと密着したコーキング材は持ち味である収縮性が失われて、切れてしまうことがあります。コーキング材が切れると、当然、防水性が失われて、住宅内部に雨などが入り込んでしまう恐れがあるのです。しかし、バックアップ材を使用すれば側面の二面のみが接着される『二点接着』となります。そうすると、コーキング材はパネルに密着したまま左右に伸びて、コーキング材本来の機能を果たし防水性が保たれます。

バックアップ材を使う手順

住宅の外壁用パネルなどの継ぎ目のコーキング材は、年数が経過すると劣化します。紫外線や雨風などが原因でひび割れが生じたり、経年劣化によりコーキング自体がやせ細る肉やせと呼ばれる症状で剥離してしまうことも。そうすると、その劣化した部分から建物の中にまで雨水が侵入することがあるのです。更なる劣化を防ぐためには、速やかな補修が必要です。補修は、以下の手順で行います。

施工する部分を清掃する

劣化したコーキング材を、ラジオペンチなどでつまんで剥がし取りますが、きれいに取れない場合はカッターなどで削ぎ取り、バックアップ材があればそれも取り除きます。その後、残りカスやほこりなどを、刷毛などを使ってきれいに清掃します。

バックアップ材を装填する

ねじれや段差が生じないよう丁寧にバックアップ材を装填します。

養生テープを貼る

外壁用パネルがコーキング材で汚れないよう、継ぎ目のきわに養生テープを丁寧に貼り付けます。その際、あとで剥がしやすいように、テープの端を折り返しておきましょう。

プライマーを塗布する

コーキング材をパネルをしっかりと密着させるために、プライマーを塗ります。

コーキング材を充填

パネルの継ぎ目の上から下へ向けて、コーキング材を充填しますが、中に空洞ができるのを防ぐために多めに注入します。

へらで表面をならす

継ぎ目の中にしっかりとコーキング材を入れるために、へらで押さえ込むようにしっかりとならしていきます。

養生テープを剥がす

コーキング材が乾燥する前に、養生テープをすべて剥がせば完成です。

まとめ

外壁用パネル同士の継ぎ目には、コーキング材を充填するため、外からはバックアップ材は見えませんが、外壁用パネルなどの防水性を高めるための重要な役割を担う副資材です。高さ調整のほかに、コーキング材を『二面接着』させることで、劣化を最小限にとどめて長持ちさせるために使用されます。