コンクリートを適切に硬化させる　養生の重要性

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コンクリートの養生は、コンクリートを十分に固まらせるために重要な工程です。
養生を怠ると、コンクリートが十分な強度を持たずに固まってしまったり、ひび割れを起こす原因になります。
ここでは、コンクリート養生の目的や、詳しい養生の方法について簡単に説明していきます。

なぜコンクリートを養生するのか

コンクリートは、一定以上の温度と水分がないと、固まる際に十分な硬度がなかったり、硬化の遅れ、ひび割れの原因となります。
そのため、コンクリートを硬化させる際には、適切な温度と水分を確保して、管理しなくてはなりません。
コンクリートの性能を最大限に発揮するために、硬化の際の養生は非常に重要な工程となっています。

コンクリートの養生方法

コンクリートの養生方法は様々です。ここでは、コンクリートの養生方法をいくつか、簡単に紹介します。

たん水養生

コンクリートの乾燥を防ぐための養生方法です。
周囲の枠などをあらかじめ高く作り、硬化しきるし切る前の生コンクリートの表面に水を張ることで乾燥を防ぎます。
冬場の寒い季節では、張った水が凍る可能性があるため、通常よりも水深が深くなるように水を張る必要があります。

散水養生

こちらもコンクリートの乾燥を防ぐための養生方法です。
散水養生はその性質上、気候によって乾燥の度合いが変わり、効果にバラつきが出てしまうため、人力ではなくスプリンクラーなどを使って常時散水するのが良いでしょう。

保湿養生

コンクリートに散水し、その上からシートを被せることでコンクリートを保湿し、乾燥を防ぐ養生方法です。一日に一回以上、水を補給させることで、一定以上に湿度を保ち、コンクリートの硬化を促進させる効果があります。

断熱養生

コンクリートは硬化の際に、内部と表面との温度に大きく差があると、ひび割れを起こしてしまいます。
断熱養生は、コンクリートの上に断熱マットなどの断熱材を被せて温度を一定に保つことで、ひび割れの発生を防ぐ養生方法です。

蒸気養生

硬化前のコンクリートに蒸気を当てることで、コンクリートの湿度と温度の両方を供給して、コンクリートの硬化を促します。
装置が大きいため移動は難しいですが、この養生方法では湿度と温度を両方管理できるため、生産性の向上に繋がります。

コンクリート養生が上手くいっていないと起こること

コンクリートの養生が上手くいっていないと、強度や耐久性に大きな差が生まれてしまいます。
ここでは、硬化させる際の養生が上手くできていなかった場合に起こる問題を、いくつか紹介していきます。

耐久性が下がる

養生が足りず、きちんと保湿がされていないと、コンクリートが上手く固まらなかったり、強度が落ちてしまいます。
その結果コンクリートの耐久性が落ち、建築物などの品質が低下に繋がります。

ひび割れが起きる

コンクリートの内部と表面の温度に差があると、膨張率が内部と表面で変わってしまうため、ひび割れが発生します。
そのため、硬化の際に養生が足りず、保温が上手くされていないと、温度の変化によってコンクリートが硬化する際にひび割れを起こす可能性があります。

水による影響

コンクリートを固めるには水を用いますが、外気温が氷点下を下回ると水が凍り始めます。
そのため、上手く養生がされていないと、水が凍結して氷となり、それが原因でコンクリートの強度低下やひび割れを起こす危険性があります。
打設後の初期に水が一度でも凍ってしまうと、その後の修正が効きません。
寒冷地での施工の際には、適切な温度管理が重要なポイントとなります。

コンクリートを適切に硬化させる養生

コンクリートに十分な強度や耐久性を持たせて硬化させるためには、温度や湿度を適切に管理する必要があります。
そのためにも養生は非常に重要な工程であり、コンクリートの性能を最大限に発揮させるためにも、養生を怠ってはなりません。
コンクリートによる施工を依頼する際は、養生の期間などが適切に設けられているかの確認も行った方が良いでしょう。